世界を滅ぼす呪いと最期の約束
「あ……」
小さな呟きに、すぐ前を歩いていた女が足を止めた。
振り返った彼女は酷く悲しげな顔で笑う。
「予想より、ずいぶんと早かったわね」
「うん……」
わたしもまた悲しみにゆがんだ顔で笑って、彼女の手を握る。
封印が解けた。
いつか来るべき日が、来たのだ。
「約束、覚えてる?」
「もちろんよ」
「「わたしたちは、未来永劫、決して離れはしない」」
終わりゆく世界で、ただこの時だけが美しかった。
お題「自暴自棄」
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